神戸市のかわせみスポーツ教室

『よい姿勢』がよい成長を促す ~動ける身体づくりの基本について~

「近年、基本的な動きが苦手な子が増えてきている」

 

突然ですが、皆さんは和式トイレが使えますか?

 

(できれば洋式を使いたいけど、和式も一応は使えるというひとが多いのではないでしょうか?

私もその一人です。)

 

最近では、子供たちの中に和式トイレを使う姿勢をとると、

しゃがむことができず尻餅をついてしまう子が増えているようです。

 

その背景にはトイレに代表されるような生活スタイルの洋式化があります。

足の裏を床につけたまましゃがむという動きは、足首ひざ関節をしっかり動かして重心を下げなければならないため、関節や筋肉の柔らかさが必要になります。生活の洋式化によって椅子やベッドを使うようになったことでしゃがみ込む動きは減り、以前よりも関節の柔軟性が失われてしまったと考えられます。

 

深くしゃがむことができないと、例えば重いものを持ち上げるときにしっかり腰を落とすことができず、ぎっくり腰を起こしやすくなるかもしれません。

 

怪我をしにくい体の作り方を身につけるという意味でもしゃがむという動きがとても重要になります。

 

この他にも苦手とする子が増えてきている動きがあります。

 

それは、

立った状態から膝を曲げずに体を前に倒す前屈や、両腕を高く上げるバンザイの動作です。

 

これらの動きができるかどうかは正しい姿勢で生活しているかにも深く変わっています。

 

たとえば前屈がしっかりできる子は太ももの裏の筋肉が柔らかく、座っている時も良い姿勢を保ちやすくなります。また背中が丸まっていると両腕を高く上げることができないのでバンザイの腕のあがり具合で猫背になっているのが判断できます。

 

子供の猫背は健康にも悪影響を及ぼす可能性があります。

背中が丸まり胸部が閉じてしまうため息を大きく吸うことが難しくなり、

それが長く続くと肺活量が減ってしまいかねません。

 

肺活量が減れば疲れやすくなり、スポーツをした時に持久力不足になるリスクも高まります。

 

幼児期に多様な動きができるようになることは姿勢の観点からもとても重要だと言えるのです。

 

そのほかに、子供たちのスクリーンタイムの急増が社会的に大きな問題になっています。

 

長時間スマートフォンやタブレット端末の画面を見ていると、運動遊びの時間が減ってしまうだけでなく姿勢も悪くなっていきます。

 

一時的に背中が丸まってしまうのは仕方がないですが、

それをしっかり元に戻して元気に体を動かせる状態を保つことが大切です。

 

できれば日頃から全身を使った運動ができる環境をつくり、

大人が見守っている場所で木に登ったり、少し高い場所からジャンプしてみるなど

体を大きく使う運動をさせてあげてほしいと思います。

 

また室内でもできる全身運動としてオススメしたいのがストレッチです。

しっかり取り組むことでよい全身運動になり姿勢を正す効果もあります。

 

お子さんだけでなく保護者やご家族の健康のためにも一緒に毎日ストレッチをして

姿勢を正すチェックを定期的にしてみてはどうでしょうか。

 

こどもが幼いうちは長時間にわたって姿勢を意識し続けるのは難しいため、

まずは ”食事の時間だけ”、もしくは”宿題をするときだけ” でも姿勢を正しくと伝てみましょう。

 

短い時間から初めて、すこしづつ意識付けをして習慣化できればいいですね。

 

幼児期は体が変化しやすい時期です。

体動かしにくくなったり姿勢が悪くなってしまっても、大人よりもずっと早く取り戻すことができます。

私たち指導者は保護者の方々と一緒になって生徒さんの幼少期から様々な動きを経験させ、

骨格や筋肉の発達や正しい姿勢づくりをサポートしていきたいと思っています。

 

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