〈生涯につながる「走る」授業の工夫〉
※走ることはすべてのスポーツの基本①~さまざまな「走る」がある~
の続き
小学生の頃には「足が速い」こと、または「足が遅いこと」は
子どもの自己肯定感や運動有能感、さらには周囲の認識にも大きく影響します。
また子供の頃に足が遅い人がその後、劇的に速くなることが難しいのが悲しい現実です。
※正直に申しますと、私自身は短距離走は苦手です。。(長距離は適正があったようですが)
大人になって、早く走る為にはコツがあることを知ってから、
こうして授業の中で走るための小さなコツや知識を生徒たちに少しづつ伝えています☺
近年の子どもたちの体力の低下や停滞は、
日常的な身体活動を伴った遊びの機会が減少したことが大きな原因です。
週に3回程度の学校体育の授業だけで体力を向上させることは難しいとされています。
当教室では走ることに関する知識を伝えて、速く走るための効率の良い動きを体験し、
自分なりの「感覚」をつかませることが役割であると考えています。
その知識や良い動きの「感覚」を日常的に繰り返し行うことで、
身体能力が少しづつ向上していきます。
また、それは子供たちが将来さまざまなスポーツに出会って
求められる走りに応用させていくためのとても大切な基礎となります。
昨今はマラソンブームですが、学校時代に長距離走が得意だった人たちが
大人になっても走り始めるのかというと、実はそうではないようです。
学校時代には長距離走の授業が嫌いだった人が体力づくりやダイエットなどの
さまざまな理由でランニングやマラソンに取り組んでいるのではないでしょうか。
大人になってランニングに取り組もうと思った時にも、
子供の頃に体験した正しい走りの知識や感覚は役に立つと考えられます。
陸上競技の一番の楽しみは競技をすることです。
これは忘れてはならない特性で、速く走れることを認めてほめてあげることはとても重要です。
一方で速く走ることができないために払拭しがたい苦手意識を持つこともあります。
苦手意識を持たせないためには他者と競うだけでなく、
各自の課題をはっきりと示す、または見つけさせること、
個人の中の変化(動きの変化や記録の改善)が本人に分かるようにすることが
必要だと考えます。
「嫌いにさせない」・「苦手にさせない」って重要です。
そのために当教室では走るための正しい知識を身につけること、
良い動きを体験させ自分なりの「感覚」をつかませることを大切にしています。
また生徒自身が良い動きを見る観察力を持つことや、
授業の中で自然に良い動きが生まれるような環境の工夫にも配慮するように努めています。